大切な人 「任務が終わったら待ってて。迎えに行く?」
そうメッセージが入ったのは、二十三時過ぎだった。迎えに行くって言ったって、ここは山道。街灯もなく、ただザワザワと蠢く木々と不気味なガードレールが急なカーブを象っている。
何より傑が迎えに行くと宣言してくるのは、初めてだった。迎えに来る時は呼んでもないのに迎えに来る。何か話したいことでもあるんだろうかと頭を探るが、一向に出てくる気配はなかった。その間にかろうじて見えていた、一本の街灯の下まで辿り着く。
辿り着くと同時に、遠くから車の音が聞こえると、僕の目の前でちょうど止まった。躊躇無く助手席に座ると、思い切りアクセルを踏み込んで急発進する。やけに力が入った運転だ。
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