生きてるもちカルさんがマスコット人形のもちジュナにせっせとご飯を運ぶ話ある日、小学生の立香は野生のもちカルさんが自分のおやつを盗むところを目撃してしまう。もち科の中でも悪さはしないと言われていたもちカルさんが盗みを働いたことにショックを受け、思わずもちカルさんを「こら!」と叱り付けると、
もちカルさんはびっくりして飛び上がり、もたもたと窓にぶつかりながら逃げていった。
立香は急いで外へ飛び出した。もちろん一度玄関を通り、靴を履いての遠回りをしてから追いかけたが所詮はもち。窓から落ちてひっくり返ってしまい、やっとの思いで起き上がりクッキーを咥えたもちカルさんが立香の部屋のまだすぐそばで必死に小さい手足を動かして逃げていた。猫に見つかったら恰好のオモチャである。
もちカルさんのあとを亀の歩みでついて行ってみると、やがて草が伸びっぱなしの小さな空き地の、石の陰になっている辺りへ消えていった。ペットボトルやお菓子の袋など、少しゴミが多い場所だった。そおっと石の陰を覗いてみると、何やらこんもりと小さな山ができていて、ちょっと変な匂いもする。
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