for ジュソ堕ち疲れきった身体を引きずって古いけど安い自宅アパートの玄関に鍵を挿す。ご近所では何やら出汁の効いた料理を作っているらしい。対して私の夕食は頑張ればカップ麺で、力尽きてしまえば夕食は抜きだ。悲しくなって、逃げ込むように扉を開けた。
そこには何故か、別れたはずの元恋人がいた。
何喰わぬ顔で「おかえりなさい」と言う彼にたったの一言さえも言葉が出てこない。どうして七海がいるの?どうして我が家で夕食を作っているの?誰のせいで毎日こんなに疲れてると思ってんの?どうして、どうして呪詛師になったの?
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七海は学生時代の後輩だった。呪術高専に入学してきた七海に一目惚れした私は初恋なりに恋心を隠そうとしていたけれど筒抜けだったらしく、無意識のアタックに絆された七海から告白されて付き合うことになった。恋人関係は七海が呪術高専を出ても変わらなかった。
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