「あなたの事が好きなのですが、お付き合いをして頂けませんか」
「…………はっ?」
それはあまりにも唐突だった。
誰もが寝静まった夜更け。酒が飲みたい気分でつまみを調達するために共有ルームまで降りるとHiMERUがひとりテーブルの上にファンレターや便箋を広げていて、燐音は適当に冷蔵庫からつまみになりそうなものを頂いてHiMERUの隣に腰掛けて、何故隣に来るんだと言いたげな胡乱な視線を無視して晩酌を楽しんでいた。
HiMERUもすぐに無視を決め込んでファンレターの返事を書くのに集中していたはず、そんな何でもない日常のひとときに何の脈絡もなく受けた告白だった。
「いまなんつった、メルメル」
「あなたの事が好きです、お付き合いをして下さい」
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