いくら他より立派な船長室といったって、五人も六人も集まればぎゅうぎゅうだ。
一人は椅子に座り、一人は机に、おれはベッドに腰かけて横たわるもふもふを抱えていた。長い毛におおわれた体は触り心地が良く、やさしく撫でればぐう、と力の抜けた鳴き声が上がる。
「えーと。ベポとロロノアは、……それがキャプテンだって?」
「うん。そうとしか考えられなくて」
頭の上にちょこんと乗る耳に、手足の裏には肉球。しっぽは他の部位と比べてもやたらとふわふわで長い。淡い灰色に散らばる黒いまだら模様は、どこかで見た誰かさんの服装を思わせる。なにより、白く色の抜けた胸から腹にかけて、動物にしては明らかに異質なハートのタトゥーが鎮座していた。ぴこぴこ動く両耳にも金のピアスが輝いている。
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