君の名は「もうこれ以上仲間を増やせないんだ、わかってくれ」
眉をハの字の形にして、男が言う。その優しそうな目に惹かれて、倒された後、仲間にしてほしいと申し出た。一度断られたが、どうしても諦められず、あとをついていったら、男が立ち止まり、ため息をついてから言ったのが、その言葉だった。
「ねえ、こんなに言ってるんだから、仲間にしてあげましょうよ」
男の傍らで女が言う。美しい女だ。女を見ていると、なんだか不思議とあたたかい気持ちになってくる。ついていこうと思ったのは、男の目に惹かれたのもあるが、このやさしげな女の雰囲気もある。実際、自分以外にも同じような魔物がこの男と女のまわりに集まって、ふたりを守ろうと囲んでいるようだ。
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