首輪が欲しいいぬぴの話②「ハァ〜〜〜」
「ため息やめろ。うざい」
「みつやぁ〜〜」
「チッ、マジでなんなんだよ!」
三ツ谷の冷たい視線が双龍の片割れを突き刺す。いきなりアトリエ兼自宅に上がり込んで来て、溜息連発では温厚な三ツ谷も流石にイライラしてしまう。
「そんなに心配なら一緒にいきゃよかったんじゃね?」
「だってよ〜!黒龍の同窓会、イヌピーすげえ楽しみにしてて、俺なんか部外者だろ?水、差したくないし」
「じゃ、スパッと諦めろ」
龍宮寺は烏龍茶のペットボトルを酒瓶のように抱えて、なおもぐずぐず言い募る。
「でもさぁ、心配だろ?」
「ハァ、もういい加減にしろって!ドラケン!お前らしくもねえ」
今日は珍しく乾が飲みに出かけたらしい。元BDの仲が良かったメンバーが集まっての同窓会的な飲み会で乾は何ヶ月も前から楽しみにしていたようだ。
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