出会い 雨上がり独特のじっとりとした空気が身体全体を包み込む。まるでゼリーにでも包まれているように、ただ歩き出す1歩の足取りでさえ重たく感じた。
今日は散々な一日だった。大して関わりのない先生に呼び止められたと思いきや派手に改造した制服でとやかく言われ、担任から進路を早く考えろと何度も言われ。しまいには雨まで降ってきた。ここまで何もかもが重なる事なんて人生17年も生きてきたが初めての事。涙すら浮かんできそうだった。そんな時って一切出ないけど。
とにかく昔から大人という存在が大嫌いだった。自分勝手にただ自己満足の為だけにものを言い、子供のことなんて一切考えていない。褒めて貰えるのは自分の好みにピッタリ当てはまったピースの子どもだけ。あたしみたいな何も言うことも聞かず、服も乱して、ただ勉強だけ無駄に出来る生徒なんて言わば「当てはまらない歪んだピース」だろう。
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