手が冷たい人は心が温かいらしい「う゛ぅ〜……さっむ…」
つい無意識に出てしまうこの言葉に、自業自得だが余計に寒く感じてしまう。防寒しているにも関わらず、頬を撫ぜる冷たい北風が寒いを通り越してもはや痛く感じる。
今日はメンバー数人と呑みに行き、ダラダラ呑んでは騒いでハシゴする、といったいつもと変わらない呑み会だった。そして今現在、終電もギリギリの時間に解散し、急いで駅のホームに出る。平日の通勤ラッシュや、休日のお出かけ日和の日とは打って変わって閑散としたホームは、真冬と言えども、人気の少なさに心做しか冷たい風が自分にしか当たっていないように感じる。
少しでも暖を取ろうと、自分の手を擦り合わせ、はぁ〜 と手袋の上から白い息をかける。マフラーに手袋、コートといった、真冬の防寒着大集結の装備でもこの異様な寒さは一体いつまで続くのだろうか。できることなら俺も家の布団でぬくぬく冬眠してたいんやけどな…と日々の労働から目を背けながらそんなことを思う。
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