なんかけんりょけんとかまこみつとか【天風先生と助手さんの話】
「ーーーーーー………」
地の底から這い出でるような極めて低い音が、この中性的な美青年から出ているとは誰が思おう。
天族のリョウタは仕事を小説家として活躍する一方、オフは自ら作成したウェブサイトに趣味用で小説を執筆している。
「小説家 天風桜」として一定のファンがいる中で、更にコアなファンだけが開ける幻のサイトである。
地鳴り声をあげる今、趣味用の小説をアップロードし終わったところだ。
普段のリョウタは髪を編んだハーフアップにしており見た目麗しい姿をしているが、今の姿はというと…
「眼鏡に前髪を上げて髪を一本に束ねてる……誰が美意識高いリョウだと気付くんだろーな。」
声が聞こえる方を見なくても分かる。
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