君だけがいない冬今日、場地さんと出会って数か月たったころの話を偶々思い出した。夏に突入する前だったと思う。湿気で蒸し暑い教室に放課後二人で残って場地さんが手紙を書くのを見守っているときにふと暇つぶしにと話した話だった。
「そういえば俺、場地さんと成人式一緒に出られないんですよね」
「まー。千冬と年違うしな。」
「それだけはどうしようもねぇよ」と場地さんは笑った。いいなあ、マイキー君やドラケン君なんかは同い年だから一緒に出られるんだもんな
「場地さんのスーツとか袴姿見たかったな__」
「え、千冬こねぇの?」
「え?」
「いや、てっきり成人式終わったらいつものメンツで集まって飯でも行くのかと思ってたわ」
「え、俺行っていいんすか?」
2260