瞳の呪縛 乙骨憂太が生活する寮に、了承どころかノックも無しに入ってくる人なんて、五条悟ぐらいだ。
任務を終えたばかりなのか、制服姿のまま、いつも以上に呪力を全身から放つ男は、部屋に入ってくるなり憂太の唇を塞いだ。
「んんっ、……っは、ぁ……っん」
言葉も呼吸さえも奪われるキスと迸る呪力にぞくぞくと下肢が震える。おそらく、それなりに強い呪霊と戦ったのだろう。
戦いの後、持て余すほどの力にどうしようもなく身体が昂る感覚は、憂太にも理解できる。特級は、等級で測れないほどの例外的な力を持つ者に与えられる等級だ。そんな力を全力でぶつけられる相手なんて、そうそう存在しない。
だからこそ、いつも熱を持て余す。
特級の熱を受け止められる者は、同じ特級だけだ。
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