夢の答え『青木…』
『……俺…、お前のこと……本気で』
固く瞑っていた目を開ければ、そこには見慣れた天井。
「……またこの夢か…」
高校を卒業してから3年。
この夢はもうすでに数えきれないほどみた。
何回見たっていつも同じ。
ほぼ毎日袖を通した制服で、通った校舎。
…あまり行った記憶はない屋上で、
目の前には、真っ直ぐこっちを見つめる
………とあるクラスメイト。
「……"本気で"……、」
夢の中の自分のセリフは、中途半端に終わる。
何か言いかけてるけど、何が言いたいのかはわからない。
…いや、検討はついてる、んだけど。
「……あーっ、もう…」
夢をかき消すように頭をわしゃわしゃと掻き回し、洗面台へと向かう。
なんでよりによって、今日…。
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