再び日は昇る 小鳥の鳴き声で目が覚める。鳥たちは朝日が昇る前のほぼ定刻に囀る。そのため鍾離は自身に小鳥の声で起きるよう組み込んでおり、毎日同じ時間に活動を再開する。
魔神にとっては睡眠とは不要であった。目を閉じたとしても、行為自体は瞑想の方が近く休眠という概念を持ち合わせていなかった。
鍾離になってからは凡人なので眠ることにしたが、まだまだ慣れなかった。それでも床に就き体を休めるというのは、考え事に丁度いい時間であった。
鍾離はこれまで岩王帝君として璃月のことをずっと見てきた。それ故にあまり自己を見つめることは少なく、己が何をしたいか等と考える機会はなかった。微睡みながら、明日は何をしたいかと思い描くのが今では日課となっている。
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