タコ部屋的 夜茶会「…なみ、さざなみ」
「ん…なんすか、まだ朝じゃないだろ…?」
非特待生のタコ部屋の薄いカーテンをカラリと開けて、隣で眠っていたはずの元特待生が肩を揺らす。
薄目を開けるとまだ真っ暗だし、体感的にも朝ではないことを直感する。
「…眠れないのです。だから、ぼくに付き合うのです」
「ハア〜?知らねえよ…オレは寝る」
こいつがこの部屋に来て、何回目かの「眠れないのです」だった。
毎回律儀に付き合っていたが、小さい子どもの親でもあるまいし、こうも頻繁に夜中に起こされるとこっちが体調を崩してしまう。今日こそは布団から出ない、と決意を決めて布団を頭から被った。
「ちょっと、さざなみ!特待生の言うことが聞けないのですか」
「今は特待生じゃねえでしょうが。ってことで、おやすみなさ…うわっ!」
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