precious/ジュン要「…これを」
要の誕生日の1週間前。寮の談話室にいる時、瓜二つの兄からなにやら長細い封筒を手渡された。
「何すか?」
「まあ、紙で渡すようなものでもないのですが…開けてみてください」
言われるがまま開封すると、出てきたのは三つ折りにされたコピー用紙。
何かの書類かと折りを開き、書かれている内容を見てぎょっとした。
「予約確認…7月7日◯◯ホテル……って、え!?な、なんすかこれ」
誕生日当日、要の希望で某テーマパークへ行くことになっていた。
行ったことがないというのはお互い様で、少し不安もあったがアプリもあるしなんとかなると経験者から聞いて安堵していたところだった。
暑い時期。まだ病み上がりな要を長時間炎天下には置けないと出発は午後からのんびり行く予定になっている。要の体力を見て、もちろん当日中に帰る予定だった。
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