落ち葉を集めて焚き火をすると、冷たい空気がほんの少しだけ和らぐような気がした。火加減を見ながら、はあ、と息を吐いてみる。まだ呼吸は白く色づかないが、きっとそれも数日のうちに変わるだろう。ここ最近は、寒い日が続く。
「どうだ?」
「まだだ。もう少し待て」
焚き火の側にしゃがんでいた煉骨に、箒を手にしてやってきた睡骨が声をかけた。掃いて集めた落ち葉を鷲掴みにし、焚き火の中へとくべていく。
「もう秋も終わりだな」
「そうだな。紅葉もだいぶ葉が落ちてきた」
各地を転々として戦に赴いている七人隊は、特定の住処を持ちはしないが拠点は何ヵ所かに構えていた。この山間の場所もそうだ。人の住んでいなかった家に戦の道具や物資を運び込んでおき、近くで仕事となった際にはここで準備を整え、戦場に出向いている。
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