洗濯してあげるベリアン シーツの中で動かした足が冷たくて目を覚ます。部屋の空気はしんと冷えていて、ベッドから下ろした足は床の冷たさに体温を奪われていくようだった。
ぎ、とドアの開く音がして目を向けるとベリアンが入ってくるところだった。私が起きていることに気がつくと、少しだけ申し訳なさそうな顔をして、それから柔らかく微笑む。
「起きていらしたんですね」
後ろ手にドアを閉めるベリアンを見ながら剥いだ布団を膝に乗せると、まだ十分な温もりが残っていた。布団も、冷えていく足も、抱き込むようにして膝を抱え込む。ベリアンはクローゼットからカーディガンを取ると、私の背中にそれを掛けてから部屋のカーテンを開けた。
「春とは言え、まだ朝は冷えますね」
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