I'm yours(You're mine) 数えていたわけではないけど、僕がモモへの想いを自認してから、片手の指で足りる年数はとっくに過ぎていた。その間にいろんなことがあったけれどそれは今は割愛しよう。だって、はじめてモモに僕の事を抱かせ……もとい、モモに抱いてもらう事に成功した夜にそんな話は必要ないだろうから。
何年も何年もかけて口説いたのに、なんだかその時はあっという間だった。僕はいつものように、きっとそれが成されることはないんだろうなとなかば諦めの感情をいだきながら軽口に言葉を乗せたのだ。
簡単に作った夕飯を二人で囲みながら、新しいワインの栓をあけたところだった。記念日でも誕生日でもなんでもない、世間的にも何を祝うような日でもない、ありふれた日の食卓だ。
3172