行かないで朝焼けも明るくなり始め、夜を通して任務を終えた隊士達が戻る頃、怪我を負った彼らが運ばれてくるであろう可能性にアオイは一日の準備を始める。
洗い物をする前に庭先の葉をまとめておこうと外に出ると、気持ちの良い風が吹いた。何かの前触れか。
なんて思いながら竹箒を動かす。
カサ
建物裏の木陰あたりから音が聞こえた。
動物、または潜入者か…。
鬼は藤の花の結界があるので容易くは入れない。
手に持っていた竹箒を少し高く掲げ、そろっと物陰に近づく…
「玄弥さん!?そこで何を…」
「アオイさん…近づかないで」
そこにいたのは不死川玄弥。呼吸を使えない隊士で、鬼を喰って鬼の力を得るという特異体質の持ち主だ。そのせいなのか彼の体は傷だらけだった。
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