Eternal flame ミカサの漆黒の睫毛がわずかに揺れたのを見て、ジャンは体を硬直させた。慌てて体勢を整えようとしたが、ミカサは今にも目を覚まさんとしている。ジャンは慌ててブランケットを被り直し、未だ眠りから覚めていないテイを取ろうとした。
しかし、ジャンの無様な隠蔽よりもミカサの銀灰色の瞳が開く方がわずかに早かった。
「…起きてたの。」
「…ごめん、寝顔見てた…。」
「…あくしゅみ。」
ミカサの言葉にショックを受けたジャンは悲哀で顔を歪ませる。
「ごめん、嫌だったか?!」
「うそ、じょうだん。」
ミカサの声色は甘くあどけない。まだ半分眠りの中にいるようである。いつも完全無欠な麗人である姿からは想像できないような声音を聞いたジャンは、自身の劣情が再燃するような感覚を覚えた。
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