会議室に集められた六人は困惑していた。何故このメンバーなのか、何の目的があるのか。互いに顔を見合わせ、あるいは一人で考えこんで。
「皆さん、揃いましたか」
いつの間に会議室に入ってきていたのか。そう語りかけたのはマスタークラス二年の鍵谷潤である。彼は何故かアメリカンハットに赤い蝶ネクタイをつけたクイズの司会者のような格好をしていて、六人の困惑は増すばかりだ。
「はい、では今から『第一回、脱出せよ! 出られない部屋大会in陽ノ月学園』を開催いたします」
カンペを読みながらそう宣言した潤を、皆ぽかんと見るばかりだ。なんだその大会は。
「皆さんには二人一組になっていただき、この会議室の隣三つの教室のどこかに入ってもらいます」
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