変温動物 ざらついた手触りで皮膚から熱がサラサラと出て行く。軋む身体を起こそうとするが、一度力を入れて失敗する。言うことを聞かない肉体にしつけが必要だったかもしれないが、とりあえず昨晩起こしたデザインの細部を仕上げたい……との思考の方が先に浮かんだので左腕だけなんとか動かして、そしてその辺に転がっていたペンを手に取る。握る力がまるで入らない。
寒い……、とも感じなかった。身体が震えることもない。けどおそらく身体が冷たくなっていってるんだろうということは感づいていた。
こうして、誰に知られることもなく、ボクという生き物は死んでいくのか。
(それは少し、寂しいかもしれませんね。)
驚くほどらしくないと言える言葉が、ストンと心臓に落ちる。
2535