健康 インスピレーションは、不健康な状態から生まれる。身体、精神、環境、あらゆる事象をぐしゃぐしゃに、混沌と。そうしていじめ抜いたボクという生命は、そうしていくうちに、ボクの思惑とは裏腹に耐性が付いてしまう。だからボクは己が健康になってしまう前に、己にとっての毒を、不健康を定期的に体に取り込むのだ。ボクは、自分の存在と価値観以外の事象全てを不健康だと知っているし、それを見つける度に喜び勇んで「いただきます」と手を揃える。
そうしていくと不思議なことに、「ボク」以外の事象全てを「好き」であると、脳が錯覚しだすのだ。
ボクは不健康でなければならない。何故ならインスピレーションを生み出さないと、ボクはボクの健康が手に入らないからだ。そして、ボクと同化した信徒を「健康」にするという役目を終えてしまうから。
とすると、限られた資源の中、残された手段はただ一つ。
不健康を食らっても健康にならない物質、つまり、「生理的嫌悪」というエネルギーだ。
ボクはそれを手に入れるため、まずは、ボクにそのエネルギーの矢印を向ける事象に照準を合わせ、手を合わせる。
いただきます。