三人寄れば「コウくんごめんね? せっかくの誕生日なのに運転させちゃって……」
「あァ、だからいいって、気にすんな。俺もちっと遠出してみたかったしよ」
四輪の古い外車は地面のガタつきをそのまま伝えてくるみたいに大きく揺れる。真後ろの席に座ったアイツの表情をバックミラー越しに見てみれば、申し訳無さそうな顔をしていた。その隣に積み上がった服屋の袋だなんだは、さっきまではそんな顔をさせていなかったことを物語っている。隣県のアウトレットモールに行ってみるかと誘ったのはこっちだし、まだカッコ悪い若葉のマークをつけた車でよければと言い出したのもこっちだ。都合のつく休みの日が、たまたま俺が生まれた日だったってだけだ。
「そうそう、コウが自分から運転したいって言ったんだから、オマエは気にすんなって」
1748