今から遠き兄弟のある祭の日の話 祭りのために封鎖された道路を2人の少年が歩いている。
「にいちゃんってやっぱ凄いなー!さっきのヨーヨー釣り2個一気に取れたのすごいよ!」
と後方でやや早歩き気味の弟が言う。
「そうでもないよ、流使。1回目失敗していなきゃ、上手くコツは掴めなかったよ」
とその前をゆっくりと歩く兄が微笑みながら後ろの弟へ返す。
「でもおれ、1個も取れなかったよ、にいちゃん」
「1個好きな方あげるよ、流使」
「うーん。いらない。次の祭りの時に2個取る。いや、3個取る!!」
「そうなの?わかった。ぼくも負けないよ」
兄弟はそういうと互いの顔を見て笑う。
しばらく会話がなく歩いていると、兄が弟の方を振り返る。
「流使、それ、家に帰る前に食べたいの?」
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