この星空をあいつもどこかで見ているのかな、なんて。
ふと胸に過った感情に、カガリは小さく苦笑した。
少女めいた、と言うのか。ロマンティックと言うのか。どちらかと言えば自分には似合わないような気がする。
そんなことを考えてしまうのは、久しぶりに飲んだアルコールのせいか。
――それとも。
会いたいと、思っているからだろうか。
アスランは現在ユーラシア連邦近辺に潜伏中である。
本来であれば前任地から一月ほど前に帰着予定だった。その後報告と調整に僅かの休暇を経て、カガリがユーラシア連邦に訪問するにあたって内密で別動隊として入国する手筈になっていた。
それが『少し気になることがある』ということで、直接ユーラシア連邦に潜入することになった。
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