後天性女体化百合 花城と結婚してから幾度も夜を越えたある日、裴将軍に「夜には新鮮味も必要ですよ」と教わった。なるほど、そうすればいつも自分を気遣ってばかりの花城とも上手くやれるのでは。一日中ずっとそわそわしていたことに私の優秀な夫は目敏く気付いたらしく、日の落ちる頃、こんな提案をしてきた。
「今日は趣向を変えてみませんか」
✤
「趣向?」
「うん。例えば、こんなふうに……」
と言う花城の声が段々と高くなっていく。加えて、緩めていたはずの着物の胸部分がぴんと張りだした。腰周りのほうはこの逆で、いつもぴったり巻き付いていた腰帯が斜めになっていく。
つまり、恐らく……花城は女性の姿になっていた。
「変化の術? 急にどうして……え!?」
1557