パイロット5️⃣×グラハン🐯 「僕の好きなタイプ?」
向こうのテーブルからやたらと通る声が聞こえてきた。それまでざわざわと騒々しかったのがまるで嘘のように静かになった。この場にいた誰もがその男のタイプに興味があるのだろう。
なんせ顔だけ見ればこんなところにいるのが勿体無いくらいの男なのだから。
「いっぱい食べる子。かな」
途端に静まり返っていたのがドッと湧き男の横に座った普段よりも随分と派手な髪と化粧をしたCAの女性が肩を叩いて笑った。
「もう〜、五条さん面白いこと言いますね。もっとこう、性格とか見た目の好みとかないんですかぁ?」
あからさまな猫撫で声に女が五条を狙っていることは明白だ。
「強いて言うなら明るくて気が効く子」
それにそっけなく答えた五条さんはいまだなみなみと注がれたままのビールに口をつけあまり美味しくなかったのか眉根に皺を寄せる。
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