三日月宗近のことはよくわからない 2少し立ったまま考えた後、顔を上げ、「三日月の部屋に行こう」と思った。多分さっき三日月は自室へ戻るところだったのだろう。
「三日月?」部屋の前で呼びかけると
「どうした?」と中から声がする。
「話があるんだけど。」
「入っていいぞ。」と言うので障子を開け、中に入ろうととして私はギョッとした。
三日月は着替え中だった。
「えっあっ、タイミングが悪かったらそう言ってくれればよかったのに...!」慌てて顔を逸らしたが、三日月の上半身が私の脳裏に焼き付いてしまった。
三日月は「はっはっは、脱いではみたものの、内番服がどこにあるか分からん。いつも人の手を借りる。オシャレは苦手でな。」
いや、そうゆう問題ではない。
三日月を直視しないように部屋を見回すと葛籠箱がある。「失礼」と言って部屋の中に入り葛籠を開けると、綺麗に畳まれた内番服が入っている。他の刀剣がきちんと用意してくれたものだろう。ため息をして振り返り、「手伝おうか?」と言うと三日月は「すまんな。」と言ってにっこりと笑った。
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