君が許してくれるのならば“おまえなんかに、おれの気持ちがわかるか!バアアアアアアカ!!!!”
“おれ、弱くてごめんね?もうルカの邪魔しねえからさ”
あの時、適切な言葉を吐けない自分の不甲斐なさに嫌気がさした。同時に、守らなくてはいけないと思った。誰よりも臆病で、誰よりも優しい君を。この手を、決して離してはいけないと思った。
この気持ちが単なる友達に向けるものではないと気付いたのは、いつだっただろう。
***
「特待生ちゃん!良かったらお昼ご飯一緒に食べない?」
「はい!ルカ君もそろそろ来ると思うので、3人で一緒に食べましょう」
「あー……またあいつかよ……」
魁斗はいつも特待生を気にかける。そうして、ルーカスとの先約があると知るとうんざりしたように目を細める。彼が同じ反応をすると分かっていて、ルーカスは毎度先回りをした。彼の反応を見て楽しんでいる自分がいる。最初のうちは罪悪感を抱いたりもしていたが、開き直ってしまえば案外気楽なものだ。
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