さめししが鬼ごっこする話カラス銀行主催の違法賭博、悪趣味なタッグマッチを制してすぐに重大な真実に気がついた。
それはタッグマッチでのチームメイトでありオレの想い人である村雨礼二がオレのことを憎からず思っているということだった。
――つまり、オレと村雨は両想いだったということ。
とうに気が付いていて状況を楽しんでいたであろう村雨に複雑な感情を抱きながらも、それを上回る喜びで口を開いた。
「あのさ、気が付いてると思うんだけどよ」
◇ ◇ ◇
「あの状況で振られるとは思わないだろ、フツー!」
真経津宅のリビングルームに空しくオレの声が響く。
「敬一君ダッサー!」
「獅子神さんカワイソー!」
次いで響いたのはオレに話の水を向けた二人――叶と家主である真経津の声である。表情は当然嬉々としている。
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