祈り 俺がただ祈ることしか出来なかったガキの頃の話だ。俺は神ってやつを割と信じちゃいる。なんせ奴らの「ありがたい言葉」で生かされて来たわけだ。
居るか居ねえか。そんなのはどうだっていい。そのありがたい言葉とやらで救われた奴も居る。そんだけだ。
最初の飼い主はジジイだった。ジジイというには多少若かった気もするが、あんときゃ俺はガキだったからな。ジジイの区別なんかつきゃしない。みんなジジイだ。
あのジジイはガキだった俺を拾った。まあそういう趣味のジジイだったわけだ。俺は自分で稼げる程賢くもねぇし、毎晩ジジイの相手させられてその対価に飯を食わしてもらったわけだ。
あのジジイは痛くてナルザルへ祈る俺がどうも気に入ったらしくてな。毎晩毎晩痛めつけられてそりゃあキツかった。
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