まだ暑さの残る九月。蝉が鳴く季節は過ぎ去ったというのに、今日も茹でるような暑苦しさだった。異常気象が続く今年は朝から日差しが強く照りつけており、気温は軽く三十度を超えている。
電気代を節約するため冷房をつけずに過ごしていたのだが、そろそろ限界かもしれない。扇風機だけでは耐えきれない暑さである。
せめてもと窓を開けてみたのだが、生暖かい空気が流れ込んでくるだけで涼しくはならなかった。むしろ風がない分蒸し暑い気がする。
「………神社に行こう」
何故、そう思ったのだろうか。ただ単にこの暑さに耐えきれなくなっただけなのかもしれないし、何か別の理由があったのかもしれない。
しかし今となってはその答えなどどうでも良かった。とにかく今は神社に行きたい気分なのだ。
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