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    ralirule333

    短文置き場

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    ralirule333

    DOODLE@TRPG_TL ミカくんとカナ「あー、お腹減ったな〜。カナ、コンビニで何か買ってこーぜ」
     インクをぶちまけたような、鮮やかな夕日が空を染めている。
     それはあの日観覧車で見た光景とリンクして、背筋が少し寒くなる。
    「おーい、カナ? カナちゃーんやーい、どーした?」
     ばんばんと背中を叩く幼馴染。
     こう言う時は一等鋭くて困る。隠し事をしようとしても、気づいたら「どーした?」と顔を覗き込まれるのだ。俺には海外にいくこともなにも察知させてくれないほどの即断即決男だというのに。
    「しょうがないなー、カナは。チキン奢ってやるから、元気だせ、な?」
    「いや、腹が減ってる訳じゃなくて」
    「腹が減ってるから、落ち込むことだってあるだろ。腹が減っては〜って言うじゃん」
    「まあ……それはそうだが……」
     コンビニの方へ歩き出した幼馴染の腕を引く。歩みを止めてくれた幼馴染はやっぱり優しい奴だな、と思う。
    「どーしたよ。なんか変だぞ? 教授にど叱られた?」
    「……されてない。そうじゃなくて、……なんというか、お前が」
    「俺が?」
    「…………また、どうにかなってしまうんじゃないかと思って」
    「……どうしてそんなこと考えるかねぇ、お前は」 1066