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    mugi_tamago

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    どんどん少なくなる今月の落書きログ

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    うた子

    MEMO【死の表現あり】
    第七霊災を乗り越えた前代の総長はなぜ退任したのか。そしてアイメリクはなぜ、総長になったばかりなのか。アイメリクが総長になった時点で、イシュガルドにはどのような課題があったのか等を妄想したものです。
    総長戦・序幕 かくも静かなクルザスが、あっただろうか。
     主を失った羊たちは呼吸を止め、虫達は終わりのない眠りに就いた。草花は根雪の下で、いつ来るとも知れぬ春を待つ。荷車を引いていたチョコボは、深雪に溺れ、荷を降ろして首を横たえた。
     クルザスの樹々はあるだけ全部切り倒され、全て暖炉にくべられた。だが火を焚いても焚いても、救えぬ命があった。寒さだけではなく、人々を覆う絶望に凍えて絶えたのだ。イシュガルドの雲霧街の掃除屋はひどく金を儲けたが、薪は市場に出回らず、やはり彼らも荒れた石畳に等しく倒れ伏した。
     皇都の大聖堂や教会に、救いを求める人々がなだれ込んだ。修道士らは寝る間をを惜しんで人々を保護し続けた。孤独が拭われた安心感からか、人々はいくらか暖かさを味わった。行けば食糧と寝床が得られると聞いた人々が、クルザスの遥か遠くからやってきた。ゆえに、備えはものの数週間で無くなり、人々はかつてない飢えを経験した。腹の虫は、とうの昔に鳴き方を忘れた。人々は声も上げず、身体を大聖堂の毛布一枚の上に横たえ、眠るように死んでいった。彼らには、最早食糧を奪い合う力さえ残されていなかった。
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