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    ぶりぶり大根

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    ぶりぶり大根

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    創作キャラすいミン(仮)の小説を書きました

    やっと会えた そして眠る(男の子目線)

    すいミン(仮)に初めて会った時から一体何十年たったというのだろう。親にはあまりかまってもらえず友達もおらず孤独で独りぼっちだった私に夢の中で突然出会った異形の少女。彼女の存在は出会う前から知っていた。都市伝説としてテレビで取り上げられていたからだ。夢の中で突然現れるのだというその少女は体が液体でできており紫色の肌で空中に浮遊していて、天使のわっかのようなものが頭についており何とも奇怪な姿をしているが神々しい限りに輝いているのだという。夢で逢っていくうちに仲良くなれるが突然目を合わせてもいいか聞いてきて合わせたが最後亡くなってしまうのだ。そんな都市伝説、まるで信じてもいなかった。ただの大人の戯言だろうと。寂しく思っている人の夢に出てくるとも聞いていたが私にはきっぱりさっぱり関係ない話だと。これからずっと一人寂しく生きてゆくのだと。子供ながらに思っていた。そう、そうだ。そんな決意をした日に現れたのだ。いつものようになんとなしに見る何の意味もない夢だと思っていた。ボーっと何もない空間を歩いていると彼女は音もなく表れた。初めて見た瞬間、女神様かとも思った。それほど輝いて見えたのだ。一目見ただけで私の心の渇きを潤してくれた、それが彼女であった。初めはただの夢だと半信半疑で話をしていた。彼女も独りぼっちで私も独りぼっち。私は何でもうんうんとつらかったねと話を聞いてくれる彼女のことが大好きになっていつしか心のよりどころになった。名前を付けてあげたりもした。睡眠の時に現れるからすいミンなんてどうだろう、安直な名前だから僕以外のいい人にもっといい名前を付けてもらえるように(仮)もつけよう。といったのをなんとなしに覚えている。そして彼女がとてもうれしそうに文字通り舞い上がったことは鮮明に覚えている。それから何度も話していくうちに僕は中学生になった。相も変わらず独りぼっちでいじめられてつらかったがすいミンと話ができるからどうということもなかった。だがしかし、中学二年のある日からきっぱり夢を見なくなってしまった。寝てもすぐに目が覚めるかいつの間にか朝になっていることがほとんどだった。夢が見れなくなりすいミンという心の拠り所がなくなった私は絶望した。ひとりぼっちの私はこれから何を糧に生きていけばいいのかと。まるで空っぽになった気分だった。その後もパッとしない高校生活を過ごし、何の志も持たないまま大学へ行きなんとなく就職した会社では残業続き。数時間しか寝れない仮眠のような睡眠でまた夢は見れないだろうかとなんとか希望にすがり生きていく日々。定年後慣れないパソコンを購入し一日中ずっとすいミンの都市伝説についてや安眠法、夢の見方を調べては夜に夢を見れず嘆いたり、考えてみたら私の人生はすいミンに会うことが目標になっていたのだな。すいミンにどうにか会いたい、会って話したいとすがっていた人生だった。今では看取ってくれる人も誰もいない中無機質な天井を見上げる日々。今日はやけに眠たく感じる。これが最後というのだろうか。最後なら最後で夢の一つ位見えたっていいんじゃないか、そう思いながら眠りについた。



    ………はて、ここはどこだろう?
    天にでも昇ったのだろうか。それにしては殺風景でさみしい空間だ。そう思った矢先、天から光が見えた。女神様が来たのかと思った。

    「……すいミン?」

    液体のような体、紫色の肌に天使のわっかをもって輝いて見下ろしてくるどこからどう見てもすいミンだった。

    「ぅわぁああああぁあぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁあああぁぁあぁぁん」

    出会い頭に泣き叫んだのはすいミンだった。私は驚いた。どうしてそんなに泣いてるのかわからなかったからだ。会えてうれしくて泣いてる様子ではなくなんだかとってもつらそうに泣き叫ぶので何をそんなに泣いているんだいとすいミンを抱き寄せてあやした。すいミンはしゃくりをあげながらしゃべりだした。

    「ずっと探してた。あなたをずっと探してた。やっと会えたのにあなたは老いていた。どうして?すいミンと目を合わせて一緒に過ごした人はみんな老いてしまう。すいミンの世界ではみんな老いて死んでしまう!あなたなら目を合わせてくれなくとも一緒にいてくれると思ったの!!!なのにいなくなってしまった!!会えなくなってしまった!!!やっと今会えたのに老いてしまっている!!!!!すいミンがなにかしてしまったからだ!!すいミンが!!!!私が!!!!!独りぼっちになりたくないって!!!!!あなたと一緒にいたいって!!!そう……願ってしまったから!」

    そう言ってごめんなさいごめんなさいと泣くすいミンにわたしはこう言った。

    「すいミン。会えなくなったのは君のせいではないよ。私が夢を見れなくなったからだ。誰のせいでもない。でも私はひと時もすいミンのことを忘れずにすいミンのことを思って生きてきた。それはすいミンも同じだろう?想いは一緒だったんだ。だからある意味両想いだったから気持ちは独りぼっちじゃなかったのかもしれないよ。それにね、私は人生という道をやっとゴールしたんだ。それは人間として普通の道を歩んだんだ、すいミンは悪くないよ。むしろすいミンを想って人生を終えようとして最後にこうして君に会えた。それって最高な最期ではないかい?私は今とても幸せだよ、すいミン。」

    今までの人生の中で一番いい笑顔ができたと思う。すいミンは相変わらず私の頭を抱えながら泣いている。

    「いかないで!!一緒にいて!!!!目を合わせるって言って!!!!二人で夢の世界でずっとすごそう!!!?ずっと一緒にいられる気がするの!!!お願い!!!目を合わせるっていって!!!」

    すいミンが泣き叫ぶ声が聞こえるがなんだか意識がどんどん遠くなって体がふわふわ浮いていくような感じがする。これが本当に本当に最後なんだな……。

    「すいミン……また……………会おうね……………」

    そうして私は春の暖かさに包まれて消えていくのであった。ずっと求めていたすいミンの腕の中で……。
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