寝れぬ夜に※ハイプ×ワイスピ
----------
(とりあえず一区切りついたな……)
キーボードを数回叩いて、保存が完了したダイアログが表示されるのを確認し、パソコンをスリープモードにする。コーヒーでも飲んで休憩にしようと思い仕事部屋からリビングに通じる扉を開けて部屋を出た瞬間ぼすん、と何かを蹴った感触。足元を見れば、扉横の壁のところにこんもりとした大きな白い山、俺が蹴ったのはその白い山裾の部分だった。
白い山の正体は、ベッドから掛け布団を持ってきて頭からそれを被っているオクタビオ。何がしたいんだと思いつつしゃがんで話しかける。
「オクタビオ。なにしてるんだこんなところで」
「…………」
反応がない。そっと布団を持ち上げて捲ると、両目いっぱいに涙を溜めながら両手で尻尾を掴み、その尻尾の先を噛んで嗚咽を堪えて震えるオタクビオが居た。
2046