ししとう
8nagi87
DONEししとうを食べながらお喋りしてるだけの曦澄cql軸/モブ仙門
■ ■ ■
七輪に枯れ葉と小枝をふわりと敷き詰める。そこに炭を積み上げるように入れ、火鉢からそっと火種を取る。明火符でもいいのだが、それだとなんだか味気ない気がして、江澄は火種を崩さないように慎重に七輪に火を入れた。くゆる白い煙が弱くなると、パチパチと弾けるような音が聞こえてくる。いつだか聶懐桑にもらった何処ぞの有名な絵師が描いたという扇子で上から強く仰ぐと、赤い炎が立った。網を乗せ、いざ、というところで名前を呼ばれた江澄は振り返る。
「江宗主」
「沢蕪君、丁度良いところに」
「急に訪ねてしまい申し訳ない」
手を重ね、頭を下げる藍曦臣に席を勧めた。案内をした家僕を下げ、雲夢江氏宗主自ら茶を淹れる。底が見えないほど濃い茶と蓮の実でもてなした江澄は、すこし得意気な表情で竹かごを卓の上に置いた。
6594七輪に枯れ葉と小枝をふわりと敷き詰める。そこに炭を積み上げるように入れ、火鉢からそっと火種を取る。明火符でもいいのだが、それだとなんだか味気ない気がして、江澄は火種を崩さないように慎重に七輪に火を入れた。くゆる白い煙が弱くなると、パチパチと弾けるような音が聞こえてくる。いつだか聶懐桑にもらった何処ぞの有名な絵師が描いたという扇子で上から強く仰ぐと、赤い炎が立った。網を乗せ、いざ、というところで名前を呼ばれた江澄は振り返る。
「江宗主」
「沢蕪君、丁度良いところに」
「急に訪ねてしまい申し訳ない」
手を重ね、頭を下げる藍曦臣に席を勧めた。案内をした家僕を下げ、雲夢江氏宗主自ら茶を淹れる。底が見えないほど濃い茶と蓮の実でもてなした江澄は、すこし得意気な表情で竹かごを卓の上に置いた。