まるてぃー
potepote
DONE出会って間もない頃のセシマティ小説(偶然二人で事件に巻き込まれて、セシウスがマルティーナちゃんの過去の記憶を見てしまった。その日から数日後のお話)
「マルティーナ」
「あら、丁度いいわ。
オブリビエイトしたい相手が、わざわざ向こうからやって来てくれるなんて」
探す手間が省けたわね、と笑うマルティーナ。
口元は笑っているが、その瞳は冷ややかなままだ。
「俺の記憶を消しても構わない。
けどその前に、少しだけ時間をくれ。
お前に伝えたいことがある」
「…生憎、私は貴方と話す事なんて一つも無いわ」
彼女の翡翠色の瞳は変わらず、冷めた表情で俺を見つめている。
「まずは謝らせてくれ。故意では無いとはいえ、お前の過去の記憶を見てしまった事を詫びたい。
すまなかった」
この通りだと、頭を下げる。
勿論こんな謝罪で許されるものではない。
誰だって隠したい過去はある。そして彼女はその過去を自分の内に閉じ込めていたのだろう。
2156「あら、丁度いいわ。
オブリビエイトしたい相手が、わざわざ向こうからやって来てくれるなんて」
探す手間が省けたわね、と笑うマルティーナ。
口元は笑っているが、その瞳は冷ややかなままだ。
「俺の記憶を消しても構わない。
けどその前に、少しだけ時間をくれ。
お前に伝えたいことがある」
「…生憎、私は貴方と話す事なんて一つも無いわ」
彼女の翡翠色の瞳は変わらず、冷めた表情で俺を見つめている。
「まずは謝らせてくれ。故意では無いとはいえ、お前の過去の記憶を見てしまった事を詫びたい。
すまなかった」
この通りだと、頭を下げる。
勿論こんな謝罪で許されるものではない。
誰だって隠したい過去はある。そして彼女はその過去を自分の内に閉じ込めていたのだろう。