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    ゆさ

    ginyo_0101

    DONEさねぎゆワンドロワンライ
    お題【いたずら/魔法使い】お借りしました

    ・記憶なしなしDK現パロ
    ・ぎゆさんに嫌な感じの彼女ができますが最初からさねぎゆです

    長くなってしまったので、ぜひ読みやすい方でお読みいただけたら嬉しいです
    トロフィーの証明 ただのいたずら心だった。

     放課後、不死川は校門に向かう途中で友人の冨岡と女子生徒が連れ立って体育館裏に消えたのを見た。リボンの色から同じ二年生なのはわかるが、不死川の記憶にはない顔だ。
     冨岡はモテる。容姿端麗なことに加え、剣道の大会でも全国に名を馳せているものだから、学校内外問わず女子たちが黙っているはずもない。今回のように体育館の裏で告白だとか、下駄箱にラブレターだとか、およそ令和の世とは思えないようなことが日常的に起きていた。冨岡に対して『記念告白』という言葉すらあるのだと人伝に聞いた。道理で無謀な挑戦者はあとを絶たないわけである。
     中学で出会ってすぐに意気投合した不死川が初めて冨岡の部屋を訪れたとき、トロフィーの数に驚いた。これはいつのだこっちは何のだと興奮しながら尋ねても本人は至って素っ気なく、家族が飾れと言うから仕方なく置いているのだと迷惑そうにしていた。常々「トロフィーが欲しくて剣道をやっているわけではない」と言っている冨岡にとって『告白してくる女子』の存在はまるでトロフィーと同じようなものかもしれないと不死川は思っていた。
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