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    セシル

    hiyoshi_TB

    DOODLEアンケで一位だった『カミュセシ』です。

    【「私は晴れの日が嫌いだった」で始まり、「明日はきっと優しくなれる」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば13ツイート(1820字)以内でお願いします。】
    とのことでしたが、最初の書き出しだけセシルの口調に変えています。
    「ワタシ、晴れの日が嫌いでした」
     共に住んでいる部屋でソファに並び、くつろぎながらテレビを見ていた時にセシルが言った。
     ニュース画面には、今年成人を迎える若者たちの希望に満ちた様子が映し出されている。
     不思議に思いつつ、カミュがセシルを無言で見つめて続きを促した。
     「アグナパレスでは、ワタシの誕生日は三日前から祝いの行事が始まります。でも小さい頃は晴れの日だからと、知らない人たちが次々に会いに来るのが窮屈で…」
     いつも宮殿内で自由にすごしていた小さなセシルは、祝賀用の動きにくい服がキライだったし。
     外部の人間が入ってくる時期は、行動も制限された。
     王と王妃たる両親は、招待客からの挨拶に応じていて不在。
     いつもの倍以上の側使いに取り囲まれ、母の膝に甘えに行くことすらできなかった。
     当時を思い出したのか、セシルが横にあったクッションを抱えてむくれる。
     「贅沢な悩みだな」
     ため息と共にカミュが言うと
     「子供だったのです」
    言い訳をするセシルに、カミュが遠くを見つめて口にした。
     「俺は子供のころから、騎士だったからな」
     その一言で、背景を察したセシルが息をのむ。
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