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    ベル

    mit

    DONE趙陸の新しい小説が、読みたくて読みたくて仕方ない。しょうがないからもう自分で書くしかない。自分で書いておけば、未来の私が趙陸小説に飢えたときこれを開封して食べることができるかもしれない。そういう感じの保存食を作ったので冷凍庫に入れておきます。
    朝チュン即嫉妬心に狂う趙雲さんの話朝日に照らされてすうすうと眠る陸遜を、趙雲はただ眺めていた。陽の光に反射してキラキラ光る陸遜の髪を手慰みに弄りながら趙雲は微笑み、しかしすぐにその瞳は陰ってしまう。
    久々に会って楽しく語り合い、肌を重ね、こうして共に朝を迎えることができた。厳しい乱世の中、陸遜と至福の時を共有できた奇跡に、趙雲の胸は喜びに溢れている。が、飲み込みきれない何かもそこには確かにあった。
    果たして自分は、いつまで陸遜の恋人で在り続けられるのだろうか。
    こうして会えば、愛し合える。笑顔で迎えてくれる。けれど何度口づけを交わしたところで、この言いようもない不安は消えるどころかますます大きくなっていくのだ。
    陸遜の髪をいじっていた趙雲の心が一瞬ずきりと痛み、陸遜の髪を強く引っ張ってしまう。すると、うん、と声を上げて陸遜の瞳がゆっくりと開いた。
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    mgn_t8

    DONEリリーベルが魔法舎に呼ばれる話。
    1部終了直後。
    燻想 中央の国で賢者とその魔法使いの叙任式を終えてすぐのことだった。気紛れで部屋から出たところ、南の魔法使い達の会話が聞こえてきた。
    「賢者様に確認を取ってからだけど、リリーを魔法舎に呼ぼうと思ってるんだ」
    「リリーさんをですか?」
    「この間の戦い、完全には無事にすまなかっただろう?誰か俺の他にも治癒に長けた魔法使いにいてもらった方がいいんじゃないかと思ってね」
    「リリーの治癒の力は折り紙つきですからね」
    「うん、今まで出会った魔法使いの中でも一番なんじゃないかな」
    「そういうことならリリーさんがいれば百人力ですね!」
     フィガロが親しそうに呼ぶ名前。聞き覚えのある愛称。まさかと思う。あの男がそんな風に優しく名を呼び、治癒の魔法が得意な魔法使いなんて一人しか心当たりがない。それはかつて共に戦場に立った魔女だった。とびきり優しく、とんでもなくお人好しな娘だった。彼女は周囲に重責を負わされ、その重圧に耐えきれず勝利を目前に仲間の前から姿を消した。その後の消息は知らない。ただ無事であってほしいと願っていた。その後自分達も人間達に命の危機に曝されたから余計に。
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