ベントレー
calabash_ic
DONE※アジラフェルが無断でベントレーを運転します※S3後設定
ひとつの心臓/アジラフェルとクロウリー(左右不定)「少し寝る」
静かだった隣から声を掛けられて、アジラフェルは本から顔を上げた。悪魔は頭をカウチの肘掛けに凭れさせ、足はもう一方の側に乗せて、あまりに自由に寛いでいる。
「いつまで?」
「半年くらいだな」
窓の外へ視線をやり、今が何月か思い出す。半年。半年か。
「だめだ、クリスマスがある。せめて十二月までには起きて準備を手伝ってくれないと」
「オーケイ、起こしてくれ」
「ありがとう」
しかしちょっと寂しくなるな、と天使は思った。愛おしいこの本屋へ帰ってきてしばらく、ほとんど毎日クロウリーと顔を合わせていたものだから。何十年、何百年と会わなかった頃もあるのに。なんだかおかしくて口角が上がっていくのを感じながら本へ視線を戻し、また一行読んで、かすかな違和感に振り返る。
3324静かだった隣から声を掛けられて、アジラフェルは本から顔を上げた。悪魔は頭をカウチの肘掛けに凭れさせ、足はもう一方の側に乗せて、あまりに自由に寛いでいる。
「いつまで?」
「半年くらいだな」
窓の外へ視線をやり、今が何月か思い出す。半年。半年か。
「だめだ、クリスマスがある。せめて十二月までには起きて準備を手伝ってくれないと」
「オーケイ、起こしてくれ」
「ありがとう」
しかしちょっと寂しくなるな、と天使は思った。愛おしいこの本屋へ帰ってきてしばらく、ほとんど毎日クロウリーと顔を合わせていたものだから。何十年、何百年と会わなかった頃もあるのに。なんだかおかしくて口角が上がっていくのを感じながら本へ視線を戻し、また一行読んで、かすかな違和感に振り返る。