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    ミヤ

    しゃがんで

    DONE相互さんのネタ(https://t.co/eAJOg5FK0s)借りて書いた小説なので、まずその素敵な投稿を拝見してもらってからの方が読みやすいと思います。なんか不思議な感じーな世界観を楽しみたいなら普通に読んでも面白いかもしれないです
     眠気に滲んだ視界越しに映る横顔は、俺の事なんか気にせずに単語帳をペラペラと捲っているだけだ。顔を覗き込んでも手を前に出しても、何も反応しねえ。強いて言うならちょっと眉間に皺を寄せるだけだ。せっかく俺とのお遊びの時間だってのに、マジメに予習なんかしてやがる。俺の部屋なのに、こいつが主人であるみたいに静寂が纏う。夕日とは全く似つかない蛍光灯の光でキリリと輝かせた金属のピアスが眩しい。そして俺は気付く。それをぶら下げている耳たぶが赤なのか青なのかに見苦しく変色していて、痛そうだなと重さなぞ無い言葉を呟いた。
    「何がだ」
    「耳だよ。耳ぃ」
    「耳がどうしたんだ」
     あ、アンタ気づいてないのォ。形兆は振り返りもせず、単語帳にアルミのシャーペンでマークをつけた。分からない単語とかこいつに存在するんだと思った。こいつは俺と違って、小テストとかほぼ満点ってイメージがある。ほんのりと、こいつのことを人間とは違う何かだと思ってた。全知全能の神様だとか、そっち系。どうやら違うらしいけど。
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    りーな

    DOODLE6回 とどちワンドロワンライ【ハンバーグ】【プロ野球】【約束したろ】
    社会人とどち。前半藤堂、後半千早視点と思って置くと読みやすいかも

    書けなかったけど藤堂のマンションは球団ホームエリアにあり、部屋が余っていて、千早の現在住む家に置いてあるけど寮には持っていけず、といって実家に置いておくほどでもない私物を置く部屋になります
    『 前略 藤堂葵様

     このように手紙を書くのは初めてのことですね。別に手紙を書かずともSNSでやりとりできますし、それなりに会って話す機会もあります。年賀状すら送っていないというのに、わざわざ便箋を買ってまで筆を執ることになるとは……筆とか言ってボールペンじゃねーかとか言わないでくださいね、慣用句ですから。慣用句って分かりますか?笑
     さて、藤堂君との思い出でも語りましょうか。高校三年生で進路志望の提出用紙が配られた時、俺はてっきり藤堂君は清峰君と同じようにプロ野球選手と書くのかと思っていました。しかし違いましたね。君はスポーツ推薦での進学を志望しました。プロになりたいという気持ちはある。ただ、小手指のみんなやシニアの先輩達とやる野球が楽しいのであって、果たしてプロ選手として自分がやっていけるのか、このような心持ちではプロなど務まらないのではないか、もうちょっと自分を鍛えたいのだ、というようなことを君は言っていました。それも本音でしょう。君は気持ちに左右されるところがありますし。でも、ご家族のためもあったのでしょうね。同じ寮暮らしでも地方の球団よりは都内の大学の方が融通が利きます。
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