生体認証
MondLicht_725
DONE夏五版ワンドロワンライ第76回お題「生体認証」お借りしました。0後、教団施設を訪れた五の話。夏はいません。
夏五版ワンドロワンライ第76回お題「生体認証」 住人を失った巨大な寺院は、ひっそりと静まり返っていた。
長い廊下を、ひとりでのんびり進んでいく。供は断った。ひとりで行くべきだと思ったからだ。あるいは、感傷的になっていたのかもしれない。
あの新宿の戦い以後、こちらの陣営へ降った異人から内部の構造について一通り聞いていた。最新のセキュリティで守られていたと聞いたが今は効いていないようで、ところどころ窓が割られ何者かが侵入した形跡がある。
しかし、五条にとってはどうでもいいことだ。
五条は呪術師であって警察ではない。残されていたお宝が盗まれていたとしても興味はなかった。
用事があるのは一か所だけだ。
「ここ――かな」
長い廊下の突き当りにある観音開きの扉を開ける。
2186長い廊下を、ひとりでのんびり進んでいく。供は断った。ひとりで行くべきだと思ったからだ。あるいは、感傷的になっていたのかもしれない。
あの新宿の戦い以後、こちらの陣営へ降った異人から内部の構造について一通り聞いていた。最新のセキュリティで守られていたと聞いたが今は効いていないようで、ところどころ窓が割られ何者かが侵入した形跡がある。
しかし、五条にとってはどうでもいいことだ。
五条は呪術師であって警察ではない。残されていたお宝が盗まれていたとしても興味はなかった。
用事があるのは一か所だけだ。
「ここ――かな」
長い廊下の突き当りにある観音開きの扉を開ける。