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    白黒

    もちこの本棚📖

    DONE2024年2月25日
    K暁オンリーイベント、開催おめでとうございます🥳
    K暁デーネットプリント企画、お題「バレンタインデー」で書かせていただきました。
    同棲軸の二人のはなしです🍚
    ※既にお知らせしていますが、本部様のネップリアンソロに申請させていただいた予約番号は不備があったためすでに削除しています。白黒版、修正したカラー版を登録し直したので、詳細はTwitter(X)をご覧下さい!
    ビターな思い出を塗り替えて「KK、いつもありがとう」
     お皿の上にちょこんと乗せられたそれは、どうやらチョコレートケーキのようだ。
    「あ?……昨日作っていたのは、それだったのか」
     昨日の夕方頃、帰宅すると部屋中チョコレートの甘い香りで包まれていて、その残り香が甘ったるくてつい顔を顰めてしまった。その香りの正体が、これだというわけだ。
    「甘さ控えめにしたからさ、KKでも食べられると思うよ」
     食べてみて苦手なら残してもいいからさ、と暁人は皿をずずいっとオレの前に差し出してくる。残してもいいと言うが、せっかく作ってくれたものを食べないわけにもいかない。とりあえず一口、と控えめにスプーンですくって口へと運ぶ。
    「…………美味いな、これ」
    1959

    @t_utumiiiii

    DOODLE白黒無常と骨董商 ※日記のないキャラクターの言動を捏造 ※ご都合荘園
    鄉誼(白黒無常と骨董商) 自らの身分を骨董商と偽った――実のところ、それは偽りと言うほどの全き嘘というものでもない。単に、彼女がそこに本腰を入れていたという程でもなく、異なる仕事を本職にしていた期間のほうが長いという話であるが――威十一は、今の彼女にとって最も大事な人を取り戻すためにその荘園を訪れた。
     気密性の高い西洋建築、吹き抜けの玄関ホールから階段を上がって、二階に支度された彼女のための客室は、取り立てて説明することもない、強いて言えば、どうにも古ぼけた印象のある洋館の一室だったが、彼女が荘園の客室で夜を過ごすようになってからしばらく経ち、試合での死人が客室の中で平然と生き返るといった、およそこの世の摂理に反して異常な荘園の生活に馴染んで来た頃のとある夜、前夜までは何もなかった夜の廊下から、梁の軋むような不気味な音が響いてくる。威は荘園主から、そして、彼女がここの玄関ホールに到達したときには既にそこにいた先客から言い渡されている夜間外出禁止のルールについて知ってはいたものの、それにしても不気味だと思い、早々にその正体を確かめるべく――よからぬ客の来訪であれば、叩き切ってやれば良い――客室のドアを開け、共用部の廊下を見回すと、消灯された廊下は、見渡す限り暗いばかり――と思ったところで、不意に「もし、そこの」と声を掛けられた。威が咄嗟に、声のした方向に彼女の武器である簫を振りかぶると、よく見ればという具合でそこに立ち上っていた、霞か霧のような具合の薄い人影は、みぞおちに良い拳が入ったという具合に呻く。
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