電車男
hagiw0
DOODLE電車男パロの金綱再掲世界はそれを…… 正直なところ、面倒くさいものに出会してしまったな、というのが素直な気持ちであった。坂田金時はサングラスの下に隠された碧を眇めて、小さく舌打ちをした。
一日働いて、やっと乗った帰宅への夜遅い電車、自宅の最寄り駅まではまだ随分とある。長い旅を控えた車内の不穏は、明らかに招かれざるものだ。一週間を終えて祝杯をあげたらしき人は多いが、通る街の種類からそんなに治安は悪くないはずの路線に、迷惑顧みず大騒ぎするサラリーマン風の男が一人。
蛸のように顔を真っ赤にして、つり革に両手で捕まっているにも関わらず足下はよたよたと覚束無い。口角泡を飛ばし叫んでいる言葉も、支離滅裂である。だが、その無秩序な中に明確な悪意があることだけは確かで、金時は眉を顰めた。
5892一日働いて、やっと乗った帰宅への夜遅い電車、自宅の最寄り駅まではまだ随分とある。長い旅を控えた車内の不穏は、明らかに招かれざるものだ。一週間を終えて祝杯をあげたらしき人は多いが、通る街の種類からそんなに治安は悪くないはずの路線に、迷惑顧みず大騒ぎするサラリーマン風の男が一人。
蛸のように顔を真っ赤にして、つり革に両手で捕まっているにも関わらず足下はよたよたと覚束無い。口角泡を飛ばし叫んでいる言葉も、支離滅裂である。だが、その無秩序な中に明確な悪意があることだけは確かで、金時は眉を顰めた。