決闘！「先攻はお前にやるよ！　ハルト」
「え、いいの？　遊馬」
　ハルトの部屋でデュエルディスクを構えながら二人は会話を続ける。
「おう！　やっぱこれくらいのハンデがねえとな！　先輩としてデュエルってのがどういうもんか、教えてやるぜ！」
「ふふふ……じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
　ハルトはいたずらっぽい笑みを浮かべながら、デュエルディスクにデッキをセットした。
　
　
　
　ことの発端はいつものやり取りである。
「なあいーじゃんカイトー！　一戦ぐらいさあー」
「黙れ帰れ」
「もう！　その辺にしておきなさいよ！」
　カイトにデュエルを挑みにきた遊馬は、今日も案の定冷たくあしらわれていた。しかし今回、事態は思わぬ方向へと進む。呆れる小鳥の後ろから、天城ハルトがひょっこりと顔を出したのである。

非番「キオ。お前は今日1日非番だ」
「へ？」

突然ボーラさんから言われた非番通告。思わず間抜けな声が出てしまった。

「いや、でも俺午後から依頼があるよ？どうしていきなり…」
「それはロージーに行かせる」
「おう！アニキに任されたからにはオレがきっちり済ませてくっからテメェは買い物にでも出かけやがれ！あ、夕方には帰ってこいよ！」

なんだか俺の知らない所で俺の仕事が無くなっていたらしい。あとなんか妙に誘導されてるような……俺何かしたかな？それとも今日何かあったっけ？
ふとカレンダーを見て日付を確認する。今日は11月23日………あっ。

「ふふっ」
「あ？何笑ってやがるんだ？」
「いや、なんでも…？」

なんとも分かりやすい…いや、ボーラさんの事だしこれはわざとかな？……ロージーは多分素だけど。