Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    SSS

    あまや

    DOODLESSS/凪茨
    ⚠︎死ネタ

    タイトルはカットした部分から
    >>フィルム映画だったら良かった。そうすれば映写機の中で擦り切れて燃えて灰になるまでこの映像を見切ったら終わりが来る。けれど自分の手でスマホの削除ボタンを押すには少しだけ俺には勇気が足りなかった。<<
    フィルム映画だったらよかった映像はたくさん残っている。ライブ映像、ドラマやバラエティ番組の録画、インタビュー。プライベートで保存しているサークル活動の映像や、それこそEdenの四人で出かけた際の映像なんかもある。それでもいつも見返してしまうのは、無音の、白黒の、閣下が微笑んでいるだけのほんの十秒にも満たない動画だ。
    その日は雪が降っていて、閣下はそれが心底嬉しかったらしくビデオに収めようと俺に提案した。そのまま雪原と化した中庭に走り出すものだから俺は慌ててスマホのカメラを起動してビデオ撮影を始めた。指が滑ってモノクロになってしまい、失敗したと気づいてすぐに撮り直した。その撮り直す前の映像がこれだ。
    一面真っ白な中にまぎれそうな閣下の背中。銀の髪の毛とグレーのコートのせいで背景と同化しかけていた閣下が、くるりと振り返る。俺がカメラをきちんと構えていることを見とって、にこりと、無邪気に笑う。ただそれだけの、何の変哲もない動画。
    704

    みーな

    DONE蛇足かもしれませんが海パパ×主人公SSS(海月の骨二年後)
    閲覧orBMして下さった方感謝です。
    パパ=ザル、聡音=ワク 飲んでるのは焼酎、日本酒。

    20歳以上組のお酒の好みを考えるのも、いとおかし。
    兄=ブランデー、魅嶋=ワイン、クロキ=ビール、流星=シャンパン(ホストならドンペリか)、先生=ウィスキー、バルス=バーボン、神代=養命○ ※全て個人のイメージ
    思い寝「これ、寝てるのか?」
    「……寝てる。」

    机を枕に突っ伏してしまっている片切を目の前に、聡音と顔を見合わせた。

    息子と思って大事にしていた片切友一とは、ある出来事があってからほとんどの接触をメールか電話で済ましていた。
    「顔を見ると甘えてしまうし、距離が近いと利用したくなるから」とはっきり言葉にして伝えて来て、それでもかなり頻繁に連絡をくれるようになった。親なんて、利用するだけ利用して勝手に独り立ちして行けばいいのに、と思わないでもないが、その意思を尊重し、自宅に会いに出向く事も控えていた。
    その「息子」が大学に合格した、と照れくさそうに自宅まで報告に来た。

    バイトをしながら学費を貯金し、さらに高卒認定から入試の勉強――金銭的な援助は断固拒否された。
    2008

    あまや

    DONESSS/凪茨
    茨がリップクリームを変えた話
    おいしくなあれ閣下の肌に触れるもの、血肉になるもの、身につけるあらゆるものは彼を最も引き立て、その魅力を引き出し、飾るに相応しい最上のものでなくてはならないと思っている。化粧水ひとつとってもそうで、その辺のドラッグストアで売っている数百円のものなんて絶対につけさせてはいけない。メーカー、成分、効能、あらゆるチェックを行って選んだ一品を閣下には提供している。感覚がまだ幼いのか超高級歯磨き粉を突き返されて「……おいしくない」と悲しげな顔で訴えられた時は流石に焦ったが、ネットを駆使してなんとか閣下の意向に沿うものを入手することができた。頼むから閣下の舌が大人になるまで絶対に廃盤になんてならないで欲しい。
    対照的に自分の身につけるものにはあまりこだわりがなかった。流石に経営者として責任ある立場にあるので、公の場ではTPOに相応しいスーツを着たり、それなりに根の張る小物を見繕ったりはしているが、だからといってそこまでハイブランド志向なわけでもない。学生アイドルである以上、あまり年齢不相応に高級なものを身につけているのは逆に印象が悪くなる。もともと上流階級の上二人ならともかく、自分とジュンはどちらかというと親しみやすさがウリな面もあり、手を伸ばせば届きそうな範囲を意識しているということもあった。実際SNSでも高級ランチよりファストフードを囲んでいる自分とジュンの写真の方がウケが良かったし、そういう庶民派な中に突然高級ブランドのアンバサダー決定、なんて投稿をすると普段とのギャップでさらに話題を呼んだりした。
    1908